計算機科学のブログ

関数の基礎 逆関数が存在するための必要十分条件、全単射

情報系のための離散数学 (猪股 俊光 (著)、南野 謙一 (著)、共立出版)の第6章(関数の基礎)、章末問題の6.6の解答を求めてみる。

関数fの逆関数が存在する場合。

yをYの任意の元とする。

このとき、

f ( f - 1 ( y ) ) = y

よって、fは全射である。

a、 b をX の任意の元とする。

f ( a ) = f ( b )

ならば、

f - 1 ( f ( a ) ) = f - 1 ( f ( a ) ) a = b

よって、fは単射である。

ゆえに、fは全単射である。

逆に、 fが全単射の場合。

任意のY の元Yに対して、 ただ1つのXの元✗が存在する。

よって、 関数

g : Y X g ( y ) = x

と定めることができる。

この関数gについて、

( g f ) ( x ) = g ( f ( x ) ) = g ( y ) = x

よって、gはfの逆写像である。

ゆえに、 関数fの逆関数が存在するための必要十分条件は、 fが全単射であることである。

(証明終)